終電近くの電車に乗っていると、
「夢もないし、希望もないし、ただ毎日を生きているだけよ」
小生の横で、酔っ払いが溜め息交じりにつぶやきました。
この人にも、
かつては、夢も希望もあったんだろうな・・・。
それが、いつしか人生の歯車が狂い、
夢を打ち砕かれ、希望も打ち砕かれ、
現実に叩きのめされて、生き続けてきたんだろう・・・。
「それでも頑張って生きろよ、きっと、いいことがある」
思わず、酔っ払いに声をかけたくなりました。
確かに、矛盾だらけの世の中にあって、夢や希望を求めること自体が難しい時代なのかも知れません。
しかし、夢も希望も持たず、ただ毎日を過ごすだけでは、
喜びもなければ、楽しみもなく、生き甲斐さえも薄くなってしまうでしょう。
叶う、叶わない、は別として、
夢も希望も、大きく持ったほうがいい!
小生はそう思っています。
一度や二度の失敗で、自分をあきらめるな、と言いたい。
そもそも人生に失敗なんてない。
失敗したら、やり直せばいいだけのこと!
もし、失敗があるとしたら・・・、
自分の中にある可能性をあきらめた時、だけ。
その瞬間こそが、失敗の元!
そう思っているくらいのほうが、丁度いい。
死を目前にしながらも、ペンを走らせた小説家がいる。
死を目前にしながらも、絵筆をふるった画家がいる。
死を目前にしながらも、フラスコを振った研究家がいる。
偉大な先人たちの中には、死の直前まで自分の可能性を信じ、夢と希望を保ち続けた人が数多く存在します。
ここでいう夢や希望は、地位や名声や財産ではありません。
そんなものにあくせくと心を奪われて生きるのは、欲望の亡者であり、浅ましく、愚かなことです。
夢や希望とは、それぞれの人に内在する「志」です。
「命もいらぬ名もいらぬ官位も金もいらぬ者は始末に困る。この始末に困る者でなければ国の大事はできぬものなり」
西郷隆盛が山岡鉄舟を評した言葉です。
西郷や山岡には、
「この国をなんとかせねばならぬ」
という「志」がありました。
夢も希望も、大きいことに越したことはないが、
例え、小さな夢でも、小さな希望でもいい、
それを持って生きること自体に尊い価値があると思います。
道場生の皆さん、
こんな時代だからこそ、
夢も希望も捨てず、「志」を持って、
毎日の生活を活き活きと輝かせていきましょう!
押忍!