2009年06月02日

大和撫子

先日の電車内での出来事。
近くの椅子が空いたので、座ろうかな、と足を踏み出すと、後ろから誰かが、ドンとぶつかり、先を競うように空いた席に座りました。

若い女性でした。
109系ファッションとでもいうのでしょうか、渋谷の街角でよく見かけるような若い女性です。
彼女、人にぶつかった感覚などなく、小生に目もくれません。
ま、いいか・・・と呆れつつ、その女性を傍観していました。

一見、垢抜けしていて、可愛いいのですが・・・よく観察すると、ビヨンセとかいう歌手の物マネをする芸人さんがダイエットして、スレンダーになった感じ。
そんな彼女が、座って間もなく、大きめのバッグの中を覗き込み、モゾモゾと何やら探り始めました。

コイツ、化粧でも始める気だな、と思っていたら、違った。

彼女が取り出したのは、スターバックスのコーヒーと菓子袋。
先ずは、クビッとコーヒーを口にすると、菓子袋から固形パンを取り出し、パクパクと食べ始めました。

とても電車の中の光景とは思えません。
何度か、電車内で飲食する人を見かけたことがありますが、
これほど、板についたというか、様になっているというか、堂々としているというか・・・、
まるで、彼女の空間だけが“食堂車”と化しているのです。

菓子パンを食べ終え、食後のコーヒーも済ませた彼女。
再び、カバンの中を覗き込み、何やら取り出したのは、
今度こそ、予想が的中、化粧道具です!

それ以上、塗りたくって、どうすんだよ。
と、ツッコミたくなりましたが、
彼女、相変わらず、板につき、様になり、堂々としており、
まるで、彼女の空間だけが“化粧室”と化しています。

スゴイなコイツ・・・その存在感に感心していると、
次の瞬間、ど派手な着メロが鳴り、
「もしもし、今、電車の中、これから○○くんに会うとこ」
女友達に、「大好きな彼」とのデートの報告。
まるで、彼女の空間だけが“電話ボックス”と化しています。

移動時間をここまで見事に有効利用するとは、
感心──している場合じゃない。周りも迷惑な思いをしているだろうから、ここは注意をしなければ、と思った瞬間!

彼女、「あッ、着いた」と携帯を片手に実況中継しながら、乗って来た時と同じ勢いで、小生にドンとぶつかり、ホームへと飛び出していったのです。
「おいッ!」
という小生の声だけが虚しく電車内に残り、あとは嵐が去ったような静けさ・・・。

かつて、
可憐で、清楚で、凛々しく、慎み深く、芯が強い、
そんな日本女性のことを“大和撫子”とい言いました。

こんな混沌とした世の中ゆえに、
“泥沼に咲く蓮の花”のような、
美しく強き“大和撫子”を望みたいものです。
少なくとも、誠真会館で稽古に励む女性たちには、
そうあってほしいと願っております。

押忍!


posted by 井上誠吾 at 10:02| 日記