2008年06月10日

痛みを知る!──通り魔殺人に思う

秋葉原で通り魔殺人事件が起こりました。
今年に入って、品川区戸越銀座、茨城県土浦、と三件目です。
模倣犯が出ないことを願うばかりです。

手前味噌かもしれませんが・・・、
このような事件が起こるたびに、空手道場を含め、武道が果たすべき役割をつくづくと実感いたします。

空手の稽古には、
「痛い」「怖い」「辛い」「きつい」「苦しい」
が必ず付きまとい、
そして、更に、「忍耐」が求められます。

特に組み手の稽古は、
サポーター等の最低限の防具は付けているとはいえ、
なんの憎しみも恨みもない道場の仲間と、突き技・蹴り技を繰り出し、実際に激しく当て合いながら闘うのです。

そこには、平穏な日常にはない、非日常の別世界の空間が生み出されます。

幼年部であろうが、少年部であろうが、女子部であろうが、
一般部であろうが、壮年部であろうが、組み手は行います。
もちろん、年齢差、体力差、男女差があり、それによる区別をし、怪我のないように配慮しながら、稽古を行うのはいうまでもありません。

しかし、闘う本人にすれば、
日常では、けっして味わうことのない、強烈な“非日常”が出現するのです。

日常にはない、
「痛い」「怖い」「辛い」「きつい」「苦しい」
誰もが逃げたくなるような状況が出現するのです。
しかし、老若男女問わず、道場生たちは逃げずに、自らの稽古を通して“闘い”を実体験しています。
だからこそ、継続することで「忍耐」が培われていくのです。

いつも、道場でいうことですが、
強くなったからって偉いんじゃない。
級や段が上がったからって偉いんじゃない。
一番偉いのは、できない自分から逃げないで頑張る、こと!

道場で体験した“非日常”で得たものは、必ず“日常”の生活の中に活かされてくる!

今回の事件に限らず、最近の異常犯罪者の多くが、
実体験をせずに、“バーチャルに近い非日常” を出現させることで犯罪目的を遂げています。
もし、彼らの半生で、
「痛い」「怖い」「辛い」「きつい」「苦しい」
そんな自分との闘いを実体験し、「忍耐」が培われていれば、
このような残酷で悲惨な事件を巻き起こすことはなかった、と断言できます。

痛みを知る人は、人に優しい筈です。
誠真会館の創立目的は、
「強く優しい日本人になることを共に志向する」
にあります。

事件の背景が明らかになるにつれ、
そんな優しさを知った道場生を数多く排出し、社会に貢献できる組織であらねばならない、と覚悟するばかりです。

犠牲者の皆さんに黙祷!

posted by 井上誠吾 at 09:09| 日記