2008年12月06日

弱者へのおもいやり

世界的な大不況の折、企業が雇用対策に乗り出しています。

新卒者の内定取り消し、派遣社員の解雇、
と、弱者に対する「切り捨て」が始まっています。

企業を存続させ、多くの社員を守るためにはリストラが必要
なのは理解できますが・・・、
小生、この「切り捨て」は、企業存続のためにやむをえない
のは理解はできるのですが、納得はできていません。

思えば、バブル崩壊の頃、小生の知人が、
「“泣いて馬食を斬る”思いで、育ててきた部下に肩たたきを
したよ」と辛い心境を語っていました。
あの頃と同じ様に、各企業で切る側も切られる側も、悲惨で残酷なリストラが始まるかと思うと、重い気分に襲われます。

武士道に「仁」という徳があります。
「惻隠(そくいん=同情)の心は仁のはじめなり」とあり、
「人をいつくしみ、あわれむ同情のこころ」を持つ大切さを
説いています。
私心を捨て、互いに助け合い、献身の精神をもって、世の
人々に対して接していくべきだ、というのです。

さらに日本人は、武士道が確立する以前から、
大和民族固有の伝統、哲学、習慣から精髄を結晶させて、
「人倫五常の道」の重要さを認識していました。
それは、
君臣・父子・夫婦・長幼・盟友、
この五つの人倫の道です。
君臣とは──君主と臣下、今で言う社長と社員の関係。
父子・夫婦とは──文字通り親子と夫婦の関係。
長幼とは──年長者と年少者、あるいは兄弟姉妹。
盟友とは──同志、友達、同僚、等々の関係。

この五つの人倫の道、つまり、人の守るべき道です。
社長は社員を、社員は社長をおもいやり、
親は子を、子は親をおもいやり、
夫は妻を、妻は夫をおもいやり、
年長者は年少者を、年少者は年長者をおもいやり、
そして、友達・同僚たちは互いをおもいやる。

日本には、古来から、このような教えがあったのです。
これは、永い歴史の中で、営々と培われてきた世界に誇るべ
き日本人のこころです。

100年に一度、といわれる世界的大不況の中、
この国の総理大臣から、庶民までが、日本の原点に帰って、
弱者を切り捨てることなく、
互いに、おもいやりの精神をもって、
大不況を乗り切り、世界の手本となることができないものか!

互助、献身の精神。
これぞ日本流! という独自の解決策が必ずある筈です。

先ずは、為政者や企業の指導者が、弱者を切り捨てない!
政・官・財が一丸となった企業努力が施されれば、弱者は、勤労という奉仕で恩を返してくるのではないでしょうか。

政・財・官の指導者たちに、仁・惻隠の情を実践して欲しい、
そう願うばかりです。



posted by 井上誠吾 at 10:09| 日記