2009年11月07日

改めるに憚ることなく

「朝令暮改」という四字熟語があります。
朝に出した命令を夕方にはもう改めること、の意味です。

コロコロと方針が変わり、けっして良くない意味合いが込められていますが・・・、
この「朝令暮改」を真っ向から、「良し」とした歴史上の人物がいます。
小生が尊敬する米沢藩中興の祖・上杉鷹山公であります。

鷹山公の事は、このブログで何回も書いてきましたが、
破綻寸前の米沢藩に婿養子として入り、艱難の末、藩を再興し、のちに、アメリカの35代大統領のジョン・F・ケネディに、もっとも尊敬している日本人」と、言わしめた人物であることを再度述べさせていただきます。

さて、その鷹山公、
貧困に苦しむ米沢藩の民衆を救うために奔走するのですが、財政再建が思うようにいかず、
「朝に出した命令を夕方には改めなければならない」
そのような状況に幾度となく陥ります。

しかし、その度に、
「過(あやま)ちては、改(あらた)めるに、憚(はばか)ることなかれ」
と、側近たちに口癖のように言います。
つまり、
「過ちと分かったら、体面を気にせず、改めればよい」
として、自分の間違いを素直に反省し、朝に出した指示とは違う指示を夕方には出していったのです。

とかく、上に立つ者が、「朝令暮改」でコロコロと方針や指示を変えるようでは、指導力や決断力がない、と見られがちです。

事実、そんな“ブレる”鷹山公に対して、反対勢力の家臣たちは、あからさまに糾弾してきます。
しかし、鷹山公は、自分の小さな体面など気にせず、ただひたすら“民衆のことのみ”を考え、
「自分が間違っていたら、素直に反省し、考えを改める」といった姿勢を崩さず、改革を推進していき、苦しみあえぐ米沢の民衆を救い、蘇らせていったのです。
その根幹には、
「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」との名言を残した鷹山公の「あきらめずに成し遂げる強い意志」があったればこそでしょう。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
という言葉があります。

世界的な大不況の中、
かつてケネディ大統領に尊敬していると言わしめた鷹山公の「民衆を救うための活きた哲学」
の中にこそ、普遍的、かつ根本的な解決策が見出せるのではないでしょうか。

国を動かす政治家や官僚は当然、
会社や組織の上に立っている者も然り、
自分のための言い訳などはいっさいせず、他者のために、
「過ちては、改めるに憚ることなかれ」
との歴史上の金言に学び、行動する時代が到来している、そう思います。

そして、小生自身もまた、
空手の指導に携わる者として、
この金言を胸に、己れを律していきたいと思っております。

押忍!

posted by 井上誠吾 at 23:43| 日記