2007年03月01日

3月の忘れ雪


ついに、
あたたかいまま3月を迎えてしまいました。
東京には、まだ雪が降っていません。

小生の記憶では、
この四、五年前まで、必ず、3月になっても、
3月の“忘れ雪”が降っていました。

雪、といっても、
厳冬の雪とは違い、
小さな白い蝶のように、
美しく舞いながら、降りてきて、
地上に落ちると同時に、静かに消えていく、
淡い雪でした。

あの、忘れた頃に降る雪は、
もう降ってはくれないのでしょうか。

地球の環境破壊を憂うと、
おそらく、降ってはくれないのかも・・・。
なんとか地球が元気を取り戻し、
忘れ雪をプレゼントしてほしいものです。

人は、
時には、
忘れたほうがよい事も多々あります。

嫌な思いとか、
哀しい体験とか、
惨めで、恥ずかしい出来事、などなど、
そんな過去なんか、忘れ去って、
今日から、
気分もあらたに頑張るぞ、
と前向きに生きていくことも、時には必要です。

忘れ雪、といえば、
『なごり雪』という名曲があります。
小生の青春時代の、思い出の曲でもあります。
『神田川』『22才の別れ』『妹』『赤ちょうちん』
とフォークソングのヒットを飛ばしたグループ・かぐや姫のアルバムの中にありました。
かぐや姫のメンバー・伊勢正三が作詞・作曲し、その後、イルカがシングルで大ヒットさせた曲であります。

そのフレーズに、
「今 春が来て 君はきれいになった
 去年より ずっときれいになった」
とあります。
実に、淋しく、切なく、哀しく、
そして、やさしさに溢れる詩であります。

けっして、
名曲の詩を冒瀆するつもりではありませんが、
この“きれいに”という表現を、
“強く”とか“上手く”とかに充てかえれば、
道場生への応援歌になります。
また、
“あかるく”とか“元気に”とかに充てかえれば、
人生の応援歌になります。

そうだ。
ふと、今、思い当たりました。
“忘れ雪”と“なごり雪”の違いです。

“忘れ雪”は、
人がただ単に忘れた頃に降る季節はずれの雪、
“なごり雪”は、
人の中にある心象風景と重なる季節はずれの雪。

こう思うと、本当に名曲ですね、『なごり雪』は!

季節はずれの、
3月の“忘れ雪”、
それとも“なごり雪”、
この四、五年、見ることのなかった雪、
地球温暖化を否定するように、
淡く、美しく、やさしく、舞い降りてほしいものです。


posted by 井上誠吾 at 11:56| 日記